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人工透析で障害年金を申請する際の壁は初診日証明!?理由と対策を解説

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障害年金の申請を行う場合、通常は症状の重さや検査結果、生活への影響度を総合的に判断されたうえで、個別に障害等級の判定を受けるものです。

 

一方、人工透析で障害年金を申請する場合は、原則障害等級2級に該当します。人工透析については障害等級が明確になっているため、自力でも請求を行いやすいように感じるのではないでしょうか?

 

しかし、人工透析で障害年金の請求を行う場合「初診日証明」が大きな壁となることがあります。場合によっては、専門家である社労士の力を借りる必要があるかもしれません。

 

この記事では、人工透析で障害年金請求を行う際に押さえておくべきポイントを解説しています。最後までお読みいただきますと、自力で障害年金の申請を行うか、専門家に相談するかの判断を適切に行えるようになります。





1.障害年金とは?


障害年金とは?

人工透析における障害年金申請の解説に入る前に、障害年金の制度概要に触れます。

 

障害年金は公的年金に加入している人病気やケガを原因として、障害により働けなくなったり、仕事に制限を受けるようなときに支給される年金です。

 

多くの方が誤認しているポイントですが、障害年金の受給に際して、必ずしも現在の仕事を辞める必要はありません。障害年金は働きながらでも受給できる場合があります。

 

障害年金を受給できれば障害を抱えてしまったとしても、生活の安心感が向上します。腎不全にともない透析治療を受ける場合にも、障害年金は受給可能です。



1-1.障害年金の種類

障害年金には障害基礎年金障害厚生年金の2種類があり、初診日に加入している公的年金の種類によって支給される年金が異なります。

 

障害基礎年金は、初診日に原則国民年金に加入している方がもらえる年金のことです。

 

自営業者フリーランス、無職の方などが対象になります。また第3号被保険者である専業主婦や、20歳前に傷病を負った方も障害基礎年金の支給対象に該当します。

 

一方、障害厚生年金初診日厚生年金に加入している方を、支給対象とした年金です。障害厚生年金は障害基礎年金に比べて支給対象となる障害の範囲が広く、比較的軽度の障害であっても支給される可能性があります。

 

なおこの記事では、障害年金制度については概要の解説にとどめています。

 

障害年金受給額や請求方法の種類といった、より詳細な情報を知りたい場合には以下の記事をご覧ください。

「障害年金とは?」の記事はこちら



1-2.障害年金の受給要件


障害年金の受給要件

障害年金の受給要件は障害の種類や重さを問わず、障害年金を受給するために満たす必要があります。

 

受給要件には以下の項目があります。

 

  1. 初診日要件:初診日に原則公的年金に加入していること。
  2. 保険料納付要件:初診日の前日において、初診日のある月の前々月までの期間において、3分の2以上保険料を納付または免除されていること。または初診日が令和8年4月1日前にある場合については、初診日において65歳未満であり、初診日の前日において、初診日のある月の前々月までの一年間に保険料の未納がないこと。
  3. 障害状態該当要件:障害認定日に障害年金を受給できる障害の程度(障害等級)に該当すること。

 

なお20歳未満の方と60歳以上65歳未満で日本国内に在住されている方は、公的年金の加入義務がありません(厚生年金被保険者である場合を除く)。つまり初診日に年金制度に加入していなくとも、障害年金が支給される場合があります。

 

このように障害年金を受給するためには、初診日に公的年金に加入している状態にあり、保険料を基準どおりに納めていることが必須の要件です。

 

また障害の状態は、障害等級に該当する程度でなくてはなりません。障害等級には1〜3級まで存在しており、1級が障害の重い状態、3級が軽度の状態をそれぞれ示します。

 

なお障害等級3級に該当する場合には、障害厚生年金の対象者のみ障害年金を受給できます。障害基礎年金の受給対象者は、障害等級2級以上でなければ受給できません。



2.人工透析を受けているなら原則障害等級は2級


人工透析

日本年金機構のホームページには、以下のような記載があります。

 

“人工透析を行っている場合は原則2級(主要症状、検査成績、日常生活状況等によってはさらに上位等級)に認定されます。”

引用:日本年金機構ホームページ|人工透析を行っている方へ

 

上記のように人工透析で障害年金を申請する場合、原則障害等級は2級です。また症状や検査結果、生活の状況によっては障害等級1級に該当する場合もあります。

 

他の傷病においては障害の重さや生活への影響の度合いに基づいて、個別に障害等級が判定される場合がほとんどです。認定基準を満たさない場合には、障害等級に該当しない場合もあります。

 

一方で、人工透析で申請する場合は、障害等級2級以上に該当することが明確なため、障害年金の申請自体も簡単に行えるように思えるかもしれません。しかし、人工透析で障害年金を請求する場合には、大きな壁となるポイントがあります。



3.人工透析における壁となる「初診日証明」

人工透析による、障害年金申請にとって大きな壁となるのは初診日証明です。
先に紹介した、受給要件に深く関わってくる初診日を正しく特定できなければ、障害年金の受給には結び付けられません。


3-1.初診日とはいつのこと?

そもそも初診日とはいつのことを指すのか、よくわからないという方も多いでしょう。初診日は、日本年金機構によって以下のように定義されています。

 

“障害または死亡の原因となった病気やけがについて、初めて医師等の診療を受けた日をいいます。同一の病気やけがで転医があった場合は、一番初めに医師等の診療を受けた日が初診日となります。”

引用:「さ行 初診日 | 日本年金機構ホームページ」

 

つまり障害の原因になった傷病で初めて医師等の診療を受けた日を、初診日と呼びます。


3-2.人工透析治療を受ける場合の初診日

人工透析治療を受ける場合の初診日は、初めて病院で診療を受けた日です。

 

たとえば倦怠感や喉の渇きなど、腎疾患に関わる自覚症状を初めて覚え、近所の内科を受診した場合を考えます。近所の内科が腎臓の専門医ではないケースの方が多いでしょう。たとえ診断名がつかなかったり、治療を行わなかったりしても、近所の内科を初めて訪れ診療を受けた日は、初診日となります。

一方で人工透析を受けている人のなかには、健康診断における尿たんぱくの数値によって、異常に気づいたというケースがあるのではないでしょうか?そのため健康診断の日が初診日として認められるのではないかと疑問に思う方がいるかと思います。

 

しかし、原則健康診断を受けた日は初診日として認められません。

 

“初診日は、原則として初めて治療目的で医療機関を受診した日とし、健康診断を受けた日(健診日)は初診日として取り扱わないこととする。”

引用:厚生労働省|障害年金の初診日を明らかにすることができる書類を添えることができない場合の取扱いについて

 

ただし特例として、健康診断日が初診日として認められる場合があります。

 

“ただし、初めて治療目的で医療機関を受診した日の医証が得られない場合であって、医学的見地からただちに治療が必要と認められる健診結果である場合については、請求者から健診日を初診日とするよう申立てがあれば、健診日を初診日とし、健診日を証明する資料(人間ドックの結果など)を求めた上で、初診日を認めることができることとする。”

引用:厚生労働省|障害年金の初診日を明らかにすることができる書類を添えることができない場合の取扱いについて

 

医学的見解から直ちに治療する必要があると認められる場合に限り適用されるのが、健康診断日の特例です。検診日を証明する資料を提出することで、健康診断日が初診日として認められる場合があります。


3-3.人工透析の申請において、初診日証明が壁になる理由

なぜ人工透析においては、初診日証明が壁になるのでしょうか?

 

例えば糖尿病から慢性腎不全に至った場合、障害年金の請求上の初診日は、糖尿病で初めて受診した日が初診日となります。そうすると、初めて診療を受けてから人工透析治療に至るまで、相当の時間がかかります。場合によっては20年以上かかるケースもあるわけです。

 

治療の過程で転院している場合、初診日を証明するために必要な受診状況等証明書という書類を、初診の病院で書いてもらう必要があります。

 

受診状況証明書は、カルテの記録を基にして作成されることが望ましい書類です。しかし、保険診療のルールを定めた療担規則によれば、カルテの保管義務は「5年」とされています。よって長い年月が経った後で、初診の病院へ受診状況等証明書の作成を依頼しても、カルテが破棄されていて書けないという場合があるわけです。

 

カルテがなければ、初診日証明の難易度が大きく高まります。よって初診日から治療開始までに長い時間のかかる人工透析においては、初診日証明が大きな壁となる場合が多いのです。


3-4.初診の病院でカルテが破棄されている場合の対処方法

ここで「カルテを破棄されているなら、障害年金の受給をあきらめなければならない?」といった疑問をお持ちになるかもしれません。しかし、カルテが破棄されている場合にも、受診日を証明する方法はあるため、申請をあきらめないでください。具体的には、以下のような手がかりを複数探ります。

 

  • 初診の病院にカルテ以外で、受診日が記録されたものはないか?
  • 転院後の病院に、初診日の記録が残っていないか?
  • 健康保険の給付記録レセプトなど、受診状況が確認できる資料が残っていないか?
  • 通院していたことを、友人や勤め先の人など、家族以外の第三者に話したことはないか?

 

これらの手がかりがいくつか見つかる場合、初診日証明につながる可能性があります。ただし、カルテ以外の記録から初診日を証明するには、専門的な知識が必要となるものです。

 

例えば年金制度のプロである社会保険労務士の力を借りることをおすすめします。当センターでは、障害年金にまつわる無料電話相談を承っています。

 

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障害年金の請求に伴う初診日証明に悩みを抱えている場合には、ぜひ一度お気軽にご相談ください。



4.人工透析で障害年金を請求する場合受給できるのはいつ?

原則として、障害認定日を迎えたときに障害年金を受給できる状態にあれば、請求を行えます。障害認定日とは、初診日から1年6ヶ月経過した日を指します。


障害認定日

障害認定日から3ヶ月以内に取得した診断書を添付して、1年以内に障害年金請求を行うことを「認定日請求」と呼びます。


認定日請求

しかし人工透析治療を行う場合、開始するタイミングによっては障害認定日の特例というルールが適用されます。


4-1.人工透析に適用される障害認定日の特例とは?

障害認定日の特例が適用される場合、人工透析を受けた日から3ヶ月経過した日が障害認定日として認められます。その場合、通常より早く障害年金を受給することができます。

 

ただし、これは初診日から1年6ヶ月経過前に、透析開始3ヶ月を迎えることが条件です。よって初診日から1年6ヶ月経過後に人工透析を開始した人は特例の対象となりません。


認定日の特例

このように障害年金の特例が存在するため、通常より早く障害年金を受給できる場合があるのです。高血圧に伴う腎不全などで、早急に人工透析治療を始める必要がある場合には、特例を利用して通常より早く年金を受給できます。


4-2.請求方法は多くの場合「事後重症請求」

人工透析治療における障害年金請求は多くの場合、事後重症請求で行います。事後重症請求とは認定日請求と異なり、請求日の時点で障害年金の受給を求める方法です。

 

主に、障害認定日時点では障害等級に該当する状態になかったけれども、後に症状が悪化して障害年金を受給できる状態になった場合に、事後重症請求を行います。

 

先に障害認定日の特例についてご紹介しましたが、実のところ初診日から1年6ヶ月以内に人工透析治療が開始されるケースはさほど多くありません。初診日から長い年月をかけて腎不全が進行して、透析治療に至るケースが多いためです。


事後重症請求

繰り返しになりますが、事後重症請求は、請求日時点で障害年金の支給を求める請求方法です。障害年金は、請求日の含まれる月の翌月分から受給できます。よって1ヶ月請求が遅れると、受け取れる年金も1ヶ月分減ってしまうのです。この点は認定日請求を行う場合と比較して、事後重症請求のみが持つデメリットといえます。

 

しかし、自力で障害請求の申請を行う場合、想像以上に申請完了までに時間がかかることがあります。一刻も早く請求を完了するためには、社会保険労務士の力を借りることを検討されるとよいでしょう。


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5.障害年金の申請手続きの流れ


障害年金の申請手続きの流れ

障害年金の申請手続きの大まかな流れは、以下のとおりです。

 

STEP1.年金事務所で初回年金相談を受ける

STEP2.医師に診断書の作成を依頼する

STEP3.病歴・就労状況等証明書を作成する

 

障害年金の手続きにおける詳しい進め方について知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

「障害年金申請手続きの6つのステップを解説!請求の流れをつかめる」の記事はこちら



6.参考資料:腎疾患の障害認定基準

人工透析治療以外の腎疾患でも、障害年金は受給できます。

 

ただし人工透析治療を受ける場合のように、必ずしも障害等級2級以上と決まっているわけではありません。障害認定基準に基づいて障害等級が決まります。

 

ここでは、腎疾患の障害認定基準について概要を解説します。


6-1.認定基準

障害等級1〜3級のおおよその目安となる例示は以下の通りです。

 

令別表 障害の認定 障害の認定
国 年 令 別 表 1級 身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が前各号と同程度以上と認められる状態であって、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの
2級 身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が前各号と同程度以上と認められる状態であって、日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの
厚 年 令 別表第1 3級 身体の機能に、労働が制限を受けるか、又は労働に制限を加えることを必要とする程度の障害を有するもの

 

上記の例示を確認すれば、障害等級1〜3級に該当する状態がどのようなものかの概要を知ることができます。ただし腎疾患のみならず、他の傷病にともなう障害についても横断的に適用されるような一般的な例示です。

 

この例示のみで腎疾患に伴う障害の程度がどのような状態にある場合に、障害等級に該当するかを具体的に把握できるわけではありません。

 

腎疾患における、詳細な障害等級の判定方法については「腎疾患の認定要領」に記載されています。


6-2.腎疾患の認定要領

腎疾患の認定要領について大まかに解説をすると、一般状態区分検査数値の区分によって障害等級が判断されます。


6-2-1.一般状態区分表

一般状態区分とは障害が日常生活に与える程度を表す区分で、以下の表で表すことができます。

 

区分 一般状態
無症状で社会活動ができ、制限を受けることなく、発病前と同等にふる まえるもの
軽度の症状があり、肉体労働は制限を受けるが、歩行、軽労働や座業は できるもの 例えば、軽い家事、事務など
歩行や身のまわりのことはできるが、時に少し介助が必要なこともあり、 軽労働はできないが、日中の50%以上は起居しているもの
身のまわりのある程度のことはできるが、しばしば介助が必要で、日中 の50%以上は就床しており、自力では屋外への外出等がほぼ不可能となったもの
身のまわりのこともできず、常に介助を必要とし、終日就床を強いられ、 活動の範囲がおおむねベッド周辺に限られるもの

このように一般状態区分は(ア)〜(オ)までの5段階評価で表されます。


6-2-2.検査数値の区分

検査数値にも区分が設けられています。認定要領の冒頭にあるように多くの場合、腎臓の病気で障害年金の認定対象となるのは「慢性腎不全」です。

 

”腎疾患による障害の認定の対象はそのほとんどが、慢性腎不全に対する認定である。”

引用:「日本年金機構|第12節/腎疾患による障害」

 

慢性腎不全の検査数値については、腎疾患の障害等級判定に関わる重要な要素のひとつです。

 

検査項目 単位 軽度異常 中等度異常 高度異常
内因性クレアチニンクリアランス ml/分 20以上
30未満
10以上
20未満
10未満
血清クレアチニン mg/dl 3以上
5未満
5以上
8未満
8以上

慢性腎不全においては2種類の検査項目が、軽度異常・中等度異常・高度異常の3段階に区分されます。

 

検査項目 単位 異常
尿たんぱく量 (1日尿たんぱく量又は 尿たんぱく/尿クレアチニ ン比) g/日 又は g/gCr 3.5 以上を持続する
血清アルブミン g/dl 3.0以下
血清総たんぱく g/dl 6.0以下

 

また腎障害の一種であるネフローゼ症候群の検査数値についても、等級判定の際に考慮される要素です。

 

6-2-3.各等級に相当すると認められるものの例示

一般状態区分検査数値の区分を踏まえたうえでの、各等級に相当されると認められる例示を紹介します。

 

障害の程度 障害の状態
1級 慢性腎不全の検査成績が高度異常を1つ以上示すもので、かつ、一般状態区分表のオに該当するもの
2級
  1. 慢性腎不全の検査成績が中等度又は高度の異常を1つ以上示すも ので、かつ、一般状態区分表のエ又はウに該当するもの
  2. 人工透析療法施行中のもの
3級
  1. 慢性腎不全の検査成績が軽度、中等度又は高度の異常を1つ以上示すもので、かつ、一般状態区分表のウ又はイに該当するもの
  2. ネフローゼ症候群の検査成績のうち尿たんぱく量が異常を示し、かつ血清アルブミン又は血清総たんぱくのいずれかが異常を示すもので、かつ、一般状態区分表のウ又はイに該 当するもの

このように一般状態区分と検査数値によって、障害等級がどの程度なのかの目安を理解できます。

 

6-2-4.その他考慮される事項

やや専門的な内容となりますが、検査数値や一般区分表以外にも腎疾患に伴う障害年金判定の際に考慮される事項がありますので列挙します。

 

  • 検査成績は、その性質上変動しやすいものであるので、腎疾患の経過中において最 も適切に病状をあらわしていると思われる検査成績に基づいて認定を行うものとする。
  • 糸球体腎炎(ネフローゼ症候群を含む。)、腎硬化症、多発性嚢胞腎、腎盂腎炎に罹患し、その後慢性腎不全を生じたものは、両者の期間が長いものであっても、相当因果関係があるものと認められる。
  • 腎疾患は、その原因疾患が多岐にわたり、それによって生じる臨床所見、検査所見も、また様々なので、検査成績によるほか、合併症の有無とその程度、他の一般検査及び特殊検査の検査成績、治療及び病状の経過等も参考とし、認定時の具体的な日常生活状況等を把握して総合的に認定する。
  • 腎臓移植を受けたものに係る障害認定に当たっては、術後の症状、治療経過、検査 成績及び予後等を十分に考慮して総合的に認定する。
  • 障害年金を支給されている者が腎臓移植を受けた場合は、臓器が生着し、安定的に 機能するまでの間を考慮して術後1年間は従前の等級とする。

 

腎疾患の障害認定基準は、以下のリンクよりご確認いただけます。

「日本年金機構|第12節/腎疾患による障害」



7.まとめ

この記事では、人工透析で障害年金を受給する際に押さえておくべきことについて解説しました。

 

人工透析で障害年金を請求する場合、障害等級は2級以上です。しかし、人工透析で障害年金の申請を行う場合には、初診日証明が壁となるケースが多々あります。人工透析の性質上、初診日から治療開始まで長い年月が経っていることが多いためです。

 

カルテが破棄されている場合には、初診日証明が難しくなります。この場合は、受診日を証明するための手がかりを複数探す必要がありますが、自力では難しい場合もあるでしょう。

 

申請準備に行き詰まってしまう場合に、障害年金の受給をあきらめるのではなく、専門家である社会保険労務士の力を借りる道を検討していただきたいというのが、当センターの思いです。

 

これまで初診日証明が難しいケースでも、障害年金の受給に結びついた事案をいくつも見て参りました。当センターでは、障害年金にまつわる無料電話相談を行っております。

 

電話相談は以下のリンクよりお申し込みいただけます。

 

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障害年金に関わる内容でしたらできるかぎりお答えいたしますので、ぜひお気軽にご相談ください。



8.当センターでの人工透析における受給事例

当センターに障害年金申請代行のご依頼をいただき、障害年金受給に結びついた事例をご紹介いたします。症状や生活の状況などを、ぜひ参考にしてください。

 

8-1.事例1. 糖尿病性腎不全|人工透析中(40代男性)

年金の種類 障害厚生年金2級
請求方法 事後重症請求
年金額 年間約135万円

 

男性は約18年前に身体がだるい、疲れやすいなどの症状が出るようになりました。なかなか症状が改善しなかったため、近医を受診したところ糖尿病と診断されすぐに入院。インスリン治療を開始しています。

 

退院後、インスリン治療を受けながら複数の病院を転々としていました。

 

 その後しばらくは自覚症状が無かったものの、10か月ほど前から軽度の眼底出血や、全身にむくみ、倦怠感などが出るようになり、医師と相談し約4ヵ月前から人工透析を開始しています。

 

現在は自宅近くの病院で週3回、1日4時間の人工透析を行っている状況です。 症状は比較的落ち着いているものの透析直後は貧血になることもあるため、発病前と同じような生活は出来なくなっています。

 

8-2.事例2. 末期腎不全(30代男性)

年金の種類 障害厚生年金2級
請求方法 事後重症請求
年金額 年間約195万円

 

男性は3年前に会社の健康診断で尿たんぱくと尿潜血の検査結果が陽性となっていたものの、自覚症状が無く仕事も忙しかったため病院を受診せずにいました。

 

翌年の健康診断でも、同様の指摘を受け、加えてクレアチニンの値も基準値を超えていました。産業医に促され病院を受診したところ、ネフローゼ症候群と診断され大きな病院での精密検査をすすめられることとなります。

 

そして紹介先の大きな病院で精査をしたところ、IgA腎症と診断されました。その後入院と外来で治療を行ったものの甲斐なく、腎機能が低下し末期腎不全に至ります。

 

透析開始前には全身のむくみにより息苦しくなり、睡眠不足になってしまうこともしばしばあったそうです。

 

約5ヶ月前から腹膜透析を開始しむくみは解消されたものの依然として倦怠感が続き、職場復帰後も長時間は働けない状態にあります。

 

そのため、障害年金は生活における大きな支えとなっています。

 

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